10月17日(土)に、立正大学大崎校(品川キャンパス)石橋湛山ホールにて2015年30周年記念大会が開かれ、盛会のうちに終わりました。
午前の部の4つの研究発表では、前半はシャーロット・ブロンテの作品と他の作家を比較する発表が2つ、アニータ・ブルックナーの小説『秋のホテル』のヒロイン像に関する考察、エリス・ホプキンズの小説『ローズ・タークァンド』の家族の様相をめぐる検証が行われました。後半は、エミリとシャーロットの信仰に関する検証と、『嵐が丘』と『アグネス・グレイ』における動物と「自然」の表象について考察する、2つの発表が行われました。
午後の部では、日本ブロンテ協会30周年記念大会特別展「ブロンテ文学を観る、聴く、味わう、触れる」のイベントがありました。「観る」「聴く」のプログラムとして、ブロンテゆかりの場所をたどる音楽と写真のスライドショーの上映、The Early Music Company主宰の佐野健二氏・平井満美子氏によるギターとソプラノのデュオ「19世紀英国家庭音楽の楽しみ」と題するライブ演奏、石橋湛山ホールの外のフロアではブロンテ関係の希少本の展示がなされました。また「味わう」「触れる」のプログラムとして、ブロンテ姉妹の作品に出てくる手作り菓子の試食会や、当時の女性たちが励んでいたレース編みの実演と作品販売も大変な人気ぶりでした。
最後に、スウェーデン・ルンド大学教授Marianne Thormählen先生をお招きしての「The Brontës and History」の記念講演が行われ、まさに協会創立30周年記念大会にふさわしい充実の一日となりました。大会の出席者は103名(会員64; 非会員39)で、懇親会の参加者が佐野ご夫妻、トルマーレン先生を含め、全部で39名でした。多くのイベントを企画し大会をお世話くださった先生方、そしてご多忙のなかご出席いただきました皆さまに、深く感謝申し上げます。
なお、日本ブロンテ協会の会員の方々からご提供いただき、大会で上映された「スライドショー」で使用した写真や、その他のブロンテゆかりの場所の写真を、下記のページからお楽しみいただけます。
→ブロンテ協会のフェイスブックページへ
来年度の日本ブロンテ協会2016年大会は、2016年10月15日(土)に県立広島大学で開催予定です。また来年度、皆さまにお目にかかれますことを楽しみにしております。
(写真は特別展の様子)