日本ブロンテ協会2025年第40回大会が10月11日(土)に松蔭大学で開催されました。
午前の部では、今年も若手会員からベテランに至るまで4本の研究発表があり、『ジェイン・エア』、『ヴィレット』、『嵐が丘』それぞれの作品について精緻な分析が披露され、いずれも質疑応答も含めて大変興味深い研究が発表されました。
音部みはる
『ジェイン・エア』と『嵐が丘』——3人の語り手たち
行田英弘
ネリー・ディーンの語りのレトリック——呼称・呼びかけに着目して
石井昌子
ルーシー・スノウの2つの恋——『ヴィレット』再考
猪熊恵子
『ジェイン・エア』と『サルガッソーの広い海』——ベッシーとクリストフィーヌ
午後の部では、まず玉井暲先生のご講演があり、『ジェイン・エア』の語りに関してロマン派的要素とリアリズムの両義的側面について興味深いお話を賜りました。その後は若手の評議員3名の先生方を中心としたシンポジウム(加えて事務局の侘美が司会)において、『ジェイン・エア』における「芸術/アート」、とりわけ「技巧・技術」に着目した「語り」、「絵画」、「音楽」「舞踊」についての発表と議論が展開されました。午後は『ジェイン・エア』のテクストに関心が集中し、改めてこの古典的作品の意義を考える機会となりました。
講演:
玉井暲武庫川女子大学教授「語り手の領分 ―『ジェイン・エア』の場合 ―」
シンポジウム:
「シャーロット・ブロンテとアート ―2020年代の視点より― 」
司会・発題者:侘美真理
発題者:大澤舞
発題者:畑中杏美
発題者:西山裕子
記念すべき第40回大会は各地より43名の方々にご参加いただき、盛況な会となりました。会場の松蔭大学は構内もその周辺もとても美しく、空気がきれいな場所で、そのような素敵な雰囲気の中で記念大会を迎えることができましたのはとても良い思い出となりました。関係者の皆様に改めて御礼申し上げます。
来年度の日本ブロンテ協会第41回大会は、関西外国語大学で開催予定です。来年度も皆さまにお目にかかれますことを心より楽しみにしております。



