2014/06/17

バルテュス展


6月22日まで東京都美術館で開催されているバルテュス展に行ってきました。

ポスターだけ見ると、扇情的な画家のように誤解されるかもしれませんが、小説を読まずに理解したつもりでいるのと同じで、絵そのものの前に立つと、過去の画家たちから栄養を吸収しつつ、いかに独自の仕事をしたかということが迫力とともにせまってきます。ブロンテ・ファンの皆様には、今回個人所蔵の「嵐が丘」のリトグラフ15枚と、ポンピドゥーセンター所蔵の油彩「キャシーの化粧」の両方が見られる、またとないチャンスです。このリトグラフについては日本で最初に久守和子先生が紹介の論文を執筆されたことも有名ですね。

今回の展覧会で、限定出版のリトグラフ集の1冊が「座頭市」の勝新太郎・中村玉緒夫妻に寄贈されたと知ったのも、興味深い発見でした。この回顧展は7月5日から京都市美術館に場所を移しますので、関西方面の方もぜひお出かけ下さい。

                                (大田美和)