2022/11/11

日本ブロンテ協会第37回大会が終了いたしました

日本ブロンテ協会2022年第37回大会が10月15日(土)に東京藝術大学音楽学部(上野キャンパス)で開催されました。


午前の部では3本の研究発表が行われました。

畑中杏美
腹心の悪友─『ヴィレット』におけるジネヴラ・ファーンショー

工藤紅                       
Jane Eyre におけるブライダル・イメジャリー                                  

莵原美和                    
ブロンテ姉妹の小説における木のモチーフについて


午後の部では対面開催に伴う久々のご講演の後、シンポジウムが開催されました。

講演:
鮎澤乗光元立教大学教授「The Tenant of Wildfell Hall を読み直す」
                                                              シンポジウム:
「ブロンテ文学と記憶」
司会・発題者:廣野由美子
発題者:小田夕香理
発題者:長柄裕美


2018年以来4年ぶりの対面大会となりましたが、北海道から九州に至る45名の方々にご参加いただき、活気ある素晴らしい大会になりました。

大会に関する報告は、春先に会員宛に発行されるニューズレターでもご覧いただけます。各発表の要旨など掲載される予定です。

来年度の日本ブロンテ協会第38回大会は、立正大学品川キャンパスで開催予定です。来年度も皆さまにお目にかかれますことを心より楽しみにしております。







2022/09/04

『詩と思想』9月号の特集ジェンダーの座談会「ジェンダーを軸に考える」

 現代詩の総合商業詩誌『詩と思想』9月号の特集ジェンダーの座談会「ジェンダーを軸に考える」に参加して、シャーロット・ブロンテの『ジェイン・エア』がフェミニズムと植民地の問題をつなぐ作品であること、エミリ・ブロンテの『嵐が丘』のヒースクリフの復讐と家父長制、アン・ブロンテは姉妹の中で一番のフェミニストであることなどの指摘を行いました。

座談会の話題は、ジャーナリズム、マスコミ、教育、信仰、正義、言語と文学など多岐にわたっています。ブロンテ姉妹への言及は、『嵐が丘』の「私はヒースクリフなの」というキャサリンの言葉について高校の先生が熱く語ったことが今も忘れられないと、座談会で語った詩人の青山いさおさんに対する応答でした。ブロンテたちの言葉の力の大きさをあらためて知る機会になりました。


大田美和


北村紗衣著『お嬢さんと嘘と男たちのデスロード ジェンダー・フェミニズム入門』の中でアン・ブロンテが取り上げられました

 シェイクスピア研究者でフェミニスト批評家である北村紗衣さんの著書『お嬢さんと嘘と男たちのデスロード ジェンダー・フェミニズム入門』文藝春秋、2022の中で、アン・ブロンテの小説『ワイルドフェル・ホールの住人』が取り上げられました。

章 結婚というタフなビジネスの第3節に「元祖DVリベンジもの『ワイルドフェル・ホールの住人』」という題で、『ワイルドフェル・ホールの住人』の描写が21世紀の映画や小説のパートナー間の虐待を先取りしているとして、紹介されています。「現代なら・・・ダメ男から解放されたヘレンには独身で生きていく道があるのかもしれないが、ヴィクトリア朝ではなかなかそうはいかない。ヘレンは妻をコントロールする力があまりなさそうな男と結婚することで幸せを得るのだ。これがヘレンの人生のリベンジである。」(同書193)という結論には、この小説のヘレンの再婚相手であるギルバート問題の処理に悩む読者は大いにうなずくのではないでしょうか。

同じ章の第4節は「結局は結婚する『ジェーン・エア』、ただし条件付きで」、第5節は「『嵐が丘』のクィア・ドリームズ」となっています。日本におけるブロンテ姉妹の紹介で、アン・ブロンテがシャーロットとエミリより前に置かれたのは、初めてではないでしょうか。これをきっかけにして、アン・ブロンテの読者が日本でも増えることを願っています。

大田美和

2022/08/08

第37回大会のご案内

  1015日(土)に日本ブロンテ協会第37回大会を東京藝術大学にて開催いたします。プログラムはこちらをご覧ください。ポスター

参加される方は必ずこちらから9月末日までにお申し込みください(事前に申し込んだ方しか入構できませんのでご注意ください。)

*社会状況により開催形態を急遽変更する場合があります。直前に最新情報を協会ホームページにてご確認ください。

20228月8日)

2022/06/04

2022年ブロンテ・デイ公開講座が開催されました

64日(土)14:0016:10   2022年ブロンテ・デイ公開講座がZoomで開催されました。

杉村藍鳥取大学教授による講演「ビューイックとブロンテ姉妹」と、大田美和中央大学教授による講演「ブロンテの伝記映画To Walk Invisibleについて」が行われました。

今年は昨年度に引き続き2回目のZoom大会となりましたが、90名近い参加者がありました。

講座を共催しZoomのホストをしてくださった横浜市立大学関係者の皆様に心より御礼申し上げます。

来年度からは早稲田大学を会場として実施予定です。


2022/04/11

2022年ブロンテ・デイ公開講座についてのご案内

2022年ブロンテ・デイ公開講座を64日(土)14:00よりZoom開催いたします。詳細はこちらをご覧ください。ブロンテ文学に興味がある方であればどなたでも受講できます。受講料は無料です。

お申し込みはこちらからお願いいたします(受付期間429日〜527日)。


主催:日本ブロンテ協会

共催:横浜市立大学地域貢献センター

後援:横浜市政策局

2022411日)

2022/03/27

「アナキズム」のブックガイドにブロンテ登場

田中ひかる編『アナキズムを読む <自由>を生きるためのブックガイド』皓星社、2021年に、ブロンテの一冊が紹介されています。シャーロット・ブロンテの小説『ジェイン・エア』です。西洋史が専門の山本明代さん(名古屋市立大学教員)が「秩序への反抗と自由を求める主人公の生き方を読む」という題で執筆しています(34ページから36ページ)。

ブロンテの専門家としては、最初、三姉妹の中で政治的に一番保守的で、今やフェミニストとしても妹のアンに劣るとみなされているシャーロットがアナキスト?と思ってしまいましたが、「(ジェイン・エアは)過酷な経験の中で権威に同調しないオートノミーを創り出す方法を身に付けた」という指摘や、ジェインと従姉妹たちとの水平的なシスターフッドと「連帯の声」という指摘にうなずきました。シャーロット・ブロンテがアナキストなのではなくて、ジェイン・エアがアナキストなのです。

見開き2ページの文章は要点が明快で、複数の読み方(フェミニズム、ポストコロニアリズム、階級)が可能である『ジェイン・エア』を、アナキズム的に読むとどうなるかがわかります。ゼミで取り上げたところ、ゼミ論文にうまく活かせた学生もいました。 

本書の執筆陣には英文学研究者は入っていませんが、約50冊のブックガイドの中に『ジェイン・エア』が入った喜びを、ブロンテ・ファンの皆様と共有したく、ぜひお読み下さい。

大田美和

以上


2021/10/16

日本ブロンテ協会第36回大会が終了いたしました

 第36回日本ブロンテ協会大会が1016日(土)にZoomで開催され、無事終了いたしました。

発表は4本ありました。

大澤舞
キャロラインに吹く「西風」―『シャーリー』における与え合う女たちと負債

古野百合                        
没後200マリア・ブランウェルに思いを馳せる                                  

佐久間千尋                      
空間を掌握する魔女たち―『嵐が丘』と「白雪姫」                                                    

宇田和子
English Literature as Therapy:ブロンテ姉妹を発端に
                          
シンポジウムはアン・ブロンテ特集でした。
「アン・ブロンテ生誕200年」
司会・発題者:大田美和
発題者:侘美真理
発題者:渡千鶴子
発題者:木村晶子

52名が参加し、時間が不足するほど多くの質問が寄せられました。

来年度の日本ブロンテ協会第37回大会は、東京藝術大学で開催予定です。皆さまにお目にかかれますことを楽しみにしております。